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家康が好きだったという鷹狩。字だけ見ると、鷹を追いかけて捕まえる狩りにも見えそうですよね。
鷹狩は、飼い馴らした鷹を用いて獲物を捕らえる狩りです。 鷹は狙う獲物ではなく、一緒に狩りをする側。まず、この関係を合わせると、鷹を育てる人や、狩りをする場所へも目が向きます。
さらに、鷹や捕った鳥が贈り物になったという一面もあります。家康の趣味という言葉の先を、公開されている資料案内から見てみよう。
鷹を育てる技術と、狩りをする場所があった
徳川美術館の2022年企画展「鷹狩」の解説は、飼い馴らした鷹を使う狩りとして説明しています。これは過去に開催された展覧会の公開ページです。
同館の説明は、鷹を育てる技術に加え、鷹場の支配にも触れています。鷹場は、鷹狩を行う区域のこと。鷹だけ用意すればどこでも同じように狩れた、とまとめないほうが、関わる人や土地を考えられますね。
家康については、静岡市の駿府生活の解説にも、能や茶道などとともに鷹狩が挙げられています。城の中で政務をする姿だけでなく、こうした活動もあったと確認できます。
ただ、それだけで、具体的な一日の道順や獲物の数まで分かるわけではありません。どこで何をしたかをさらに追うなら、日付や記録を確かめることになります。
贈り物になったのは、鷹だけではない
徳川美術館の説明には、鷹や捕えた鳥が、献上や拝領の対象となったことも記されています。献上は目上の相手へ差し上げること、拝領は上の立場の相手からいただくことです。
あっ、狩りを終えたところで話が終わらないんですね。
鷹そのものを贈る話なのか、鷹が捕えた鳥を贈る話なのか。そして、誰から誰へ渡ったのか。二つを分けて読むと、獲物の名前だけを追うのとは違う見え方になります。
「将軍からもらった」という出来事が、単なる物の移動にとどまらないことも、背景を調べる入口です。資料を読むときは、日付、贈る人、受け取る人、鷹と獲物のどちらかを一行へ並べてみよう。年の違う贈答も、一件ずつ追えます。
家康から将軍たちへ読み広げるなら、この目次から
関連する研究書に、岡崎寛徳さんの『鷹と将軍 徳川社会の贈答システム』があります。出版社が提供する紹介と目次には、「家康と鷹狩」「献上と拝領」「鷹匠と若年寄」などの章が挙がっています。鷹匠は、鷹を飼育・訓練し、扱う仕事に関わる人。若年寄は、幕府の役職の一つです。
今回確認したのは吉川弘文館の「読みなおす日本史」版で、ISBNは9784642075350。ISBNは、本の版などを識別する番号です。以前の出版社の版もあるので、著者名だけで同じ商品と決めずに見てください。紙の本文の個別事例を実読した紹介ではなく、公開の概要と目次を確認しています。
次に家康の鷹狩という言葉に出会ったら、鷹、その鷹を扱う人、狩る場所、贈り先へ。関わる相手を一つずつ広げると、趣味から社会の仕組みへと、読む道筋ができますよ。